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巨人入り内定の野上亮磨、来季の展望を占う。

猛チャージ成功!巨人がFA西武・野上獲得へ

西武からFA宣言した野上亮磨(30)を巡っては宣言残留を認める西武とDeNAが交渉に乗り出していたが、巨人が突然獲得に名乗りを上げたのが2日前。そして今日、野上の「巨人内定」が報じられた。やはり今年のFA戦線も巨人からは目が離せない。

当記事では来季の野上がどのような活躍を見せるか、今季の各スタッツを参考に検討した。

 

 

野上亮磨の年度別成績

年度 球団 登板 勝利 敗戦 セーブ ホールド 投球回 防御率
2009 西武 25 3 5 1 3 56.2 4.45
2010 西武 27 2 2 0 1 68.1 5.14
2011 西武 4 0 1 0 0 4.1 10.38
2012 西武 23 8 5 0 0 115.1 2.97
2013 西武 30 11 7 0 1 152.2 3.95
2014 西武 25 8 10 0 1 120.1 4.49
2015 西武 27 7 7 0 0 134.1 4.22
2016 西武 22 3 9 1 1 107 3.87
2017 西武 24 11 10 0 0 144 3.63
  通算 207 53 56 2 7 903 4.03

基本的に先発として起用されてきており、規定投球回に達したのは2度。その両方で2桁勝利を達成している。

 

野上亮磨の2017年度スタッツ

基本成績

年度 球団 登板 勝利 敗戦 投球回 防御率
2017 西武 24 11 10 144 3.63

 

各種成績

①QS率(6回以上投げ3失点に抑えた割合)

→58.33% (規定投球回到達者両リーグ25人中17位)

あまり高い数字とは言えない。だいたい3試合に2試合は6回3失点でまとめるが、1試合は「炎上」するという数字。De今永が同じ数字である。野上、今永とも2桁勝利を達成していることから好不調の波が大きいともいえる。

 

②WHIP(1イニングに出す走者の平均数)

→1.06 (25人中5位)

被安打または四球が少なく、「安心して試合を見ていられる」という指標。この指標が良いのに防御率が良くないというのは、効率良く点を取られたという証でもある。

参考

  選手名 WHIP 防御率
1位 菅野智之(巨) 0.85 1.59
2位 菊池雄星(西) 0.91 1.97
3位 マイコラス(巨) 0.98 2.25
4位 岸孝之(楽) 1.02 2.76
5位 則本昂大(楽) 1.06 2.57
5位 野上亮磨(西) 1.06 3.63

 

LOB%残塁率)

→66.43% (25人中25位)

これが前述の「効率よく点を取られる」というのを表している。LOB%が高いというのは、走者を出しても得点を与えないということ。このスタッツが両リーグ最下位。言葉通り「効率よく点を取られる投手」だったというわけだ。

 

野上亮磨は成績を上げるか?下げるか?

前述したように、今季の野上は「効率よく点を取られる投手」だった。そう聞くと、「なんだよ、粘れない投手なのか。」「ピンチに弱いんだな。」と受け取られるファンもいるだろうが、あながちそうとも限らない。

というのも、セイバーメトリクスの世界ではLOB%は「投手がコントロールできない指標」とされ、どの投手も(著しく能力が劣らない限り)本来は同程度の数値に収まると考えられている。つまり今年の野上のスタッツを見た場合、「運が悪かった」とするのがひとつの見解だ。

とすると、来季は運を味方につけて成績を良化させる可能性が十分にあるということ。両リーグ4位のBB/9(四死球率)1.50を叩き出した制球力を武器に、東京ドームでまたひとつ飛躍した姿を見せてくれるかもしれない。