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『ベテラン育成選手』育成8年目を迎える巨人・成瀬を調査した

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平均選手寿命が入団から約9年と言われるプロ野球界。*1その中で育成選手として入団し、1度も支配下登録をされないまま8年目のシーズンを迎えようとしている選手がいる。読売ジャイアンツの成瀬功亮投手(25)だ。成瀬は今冬のアジアウィンターリーグに派遣されており、球団の期待を受けていることは明らか。なぜ彼は契約され続けるのか。成瀬功亮という選手を調査した。

 

成瀬功亮の基本情報

1992年生まれ。北海道旭川市出身。

右投右打。身長182cm、体重88kg。

高校は北海道の旭川実業高へ進む。故障もあり3年夏はエースナンバーを譲ったが、甲子園に出場すると初戦の佐賀学園戦でリリーフとして登板。常時140キロ超、MAX145キロの速球で注目を浴びた。

素材型右腕として大学進学後のプロ入りを目されていたが、2010年育成ドラフトで巨人の育成6位指名を受けて入団する。

2013年には右肩関節唇の手術を、2016年には血行障害を改善する手術を受けた。しかしそのポテンシャルは球団の評価するところであり、今季の契約更改でも再契約を勝ち取っている。来季は歴代最長となる育成8年目のシーズン。

 

成瀬功亮の年度別成績

2軍成績(1軍出場は無し)

年度 試合 勝利 敗北 セーブ ホールド 勝率 投球回 被安打 本塁打 四球 死球 奪三振 暴投 防御率
2011 3 0 0 0 0 0 3 1 0 1 0 1 0 0.00
2012 2 0 0 0 0 0 0(2/3) 5 1 1 0 1 0 54.00
2014 2 0 0 0 0 0 2 4 0 1 0 1 0 4.5
2016 11 0 0 2 0 0 10(1/3) 8 0 2 1 7 0 0.00
2017 16 0 0 0 0 0 17 15 0 3 1 11 2 3.18

2013年、2015年は怪我の影響で2軍出場すら叶わなかった。しかし2016、2017と徐々に登板数を増やし、今冬にはアジアウィンターリーグNPBイースタン選抜として派遣されている。

過去に巨人からウィンターリーグへ派遣された選手では、立岡や岡本、宇佐見や山本がおり、また今年支配下登録を勝ち取った篠原も昨年のウィンターリーグへ派遣されていた。そこからも、成瀬にかけられる球団の期待が見て取れる。

11/30のウィンターリーグ投球結果

日本社会人選抜と行われた試合。千葉ロッテ・島孝明が残した満塁の走者を背負って登板した成瀬は2本の適時打を浴びて綺麗に走者3人を一掃させてしまうが、後続を絶つ。次のイニングも二死から四球と安打で二・三塁のピンチを招くが、ドラフト候補にも挙げられた北村祥治(トヨタ自動車)を三振に切って取り、自責点0でマウンドを降りた。

 

育成選手で怪我に泣かされながらも球団に期待をかけられ続ける成瀬。しかし既に25歳。来季が本当の「ラストチャンス」になるかもしれない。7年間積み重ねてきたものを出し切り、念願の東京ドームのマウンドに立つことができるか。来季の成瀬に注目していきたい。