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ミルコ・デムーロとキタサンブラック。『7勝目』はどちらの手に?ジャパンカップ前夜予想

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彼は横浜DeNAベイスターズの新外国人選手か?

否。そんなわけもない。

なぜかDeNAのキャップを被っている彼こそが、先週日曜日のマイルCSでGⅠ10戦連続複勝圏内を達成し、年間GⅠ6勝という歴代タイ記録を成し遂げたイタリア人ジョッキー、ミルコ・デムーロだ。

彼は明日のジャパンカップ宝塚記念馬・サトノクラウンに騎乗。11戦連続複勝圏、そして年間GⅠ7勝という二つの大記録に挑む。

 

そのミルコ・デムーロと『7勝目』を賭けて戦うのが武豊騎乗のキタサンブラック

キタサンブラックはここまで菊花賞天皇賞(春)2連覇、天皇賞(秋)ジャパンカップとGⅠ6勝。年内で引退が決定しており、残りのレースは明日のジャパンカップ、そしてラストランになる有馬記念の2つだ。

競走馬の歴代GⅠ最多勝利は7勝。シンボリルドルフテイエムオペラオーディープインパクトウォッカジェンティルドンナという名だたる超名馬しか足を踏み入れていない領域である。

キタサンブラックはその領域を越えるチャンスを、今目の前にしているという訳だ。

『GⅠ7勝』という大記録を手にするのはデムーロか、キタサンブラックか。

人馬のこれまでの軌跡を辿りながら、明日の展望を考えていきたい。

 

 

ミルコ・デムーロ

今年のミルコは凄い。凄いとしか言いようがない。

まずは今年のミルコ・デムーロのGⅠ騎乗成績を整理してみよう。

レース名 着順 単勝人気 馬名
マイルCS 1 4 ペルシアンナイト
エリザベス女王杯 1 5 モズカッチャン
天皇賞(秋) 2 2 サトノクラウン
菊花賞 1 1 キセキ
秋華賞 3 5 モズカッチャン
スプリンターズS 1 1 レッドファルクス
宝塚記念 1 3 サトノクラウン
安田記念 3 3 レッドファルクス
東京優駿 3 1 アドミラブル
優駿牝馬 3 2 アドマイヤミヤビ
ヴィクトリアマイル 6 5 クイーンズリング
NHKマイルカップ 17 1 カラクレナイ
天皇賞(春) 12 7 レインボーライン
皐月賞 2 4 ペルシアンナイト
桜花賞 12 2 アドマイヤミヤビ
大阪杯 6 3 サトノクラウン
高松宮記念 3 1 レッドファルクス
フェブラリーS 1 2 ゴールドドリーム

今年のGⅠ騎乗が18戦。その中で6勝。連対が8回。複勝圏は13回。

率にしてみれば、勝率.333、連対率.444、複勝率.722という圧倒的な数字になる。

さらに凄いのが、GⅠ6勝がすべて違う馬、というところに尽きる。マイルCSではスプリンターズSレッドファルクスに乗るチャンスがあったが、デムーロペルシアンナイトを選び、そして勝たせた。単勝4番人気のペルシアンナイトだが、前走富士Sで5着の馬。これは間違いなく「鞍上人気」であり、そしてデムーロは見事「人気に応え」、勝って見せた。

明日のジャパンカップでもこの勢いそのままにサトノクラウン複勝圏、そして勝利へと導くことができるか。鞍上に注目が集まる。

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キタサンブラック

デムーロの前に立ち塞がるのが、歴史的名馬・キタサンブラックである。これまでGⅠ6勝を挙げたキタサンブラック。逃げ先行型の大型馬、その走りは何とも雄大で、名馬の貫禄十分だ。

今季の成績を振り返ろう。

レース名 着順 単勝人気
天皇賞(秋) 1 1
宝塚記念 9 1
天皇賞(春) 1 1
大阪杯 1 1

大阪杯天皇賞(春)ではその圧倒的強さを見せつけた。私もテレビ観戦しながら、「強すぎる、、、」と言葉を失うレベルの強さだった。

GⅠ2連勝で迎え、単勝オッズ1.4倍となった宝塚記念では謎の失速。先行しながらも馬群に包まれ、直線では観衆の悲鳴を呼んだ。そのレースで頂点に立ったのがデムーロ騎乗のサトノクラウンである。

あの敗戦はなんだったのか。不良馬場で行われた天皇賞(秋)では、キタサンブラック宝塚記念が馬券師の頭を悩ませた。馬場が悪いのは得意ではないのか。なら今回は外しか…。

しかし、キタサンブラックはそんな心配を一蹴するように、泥の中を駆け抜けた。

サトノクラウンに並びかけられながらも、そこからもうひと伸び。どれだけ直線が延びようと決して抜くことは叶わなかったであろうとも思わせるほどの「強み」「凄み」がそこにあった。

そして迎えるジャパンカップ。昨年はハナを切って逃げ、そして直線で後ろの馬に影を踏ませない圧勝劇を見せた舞台だ。鞍上の武豊が膝の怪我で本調子ではないという報道もあるが、今回もその「凄み」を存分に見せつけたい。歴史に名を刻む「GⅠ8勝」を目指し、まずは名馬に並び立つ「7勝目」を挙げることができるか。

 

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2017ジャパンカップ予想

キタサンブラックは強い。何かあるとすれば、力のいる馬場になり、不安視される「3戦目」となる次の有馬記念。良馬場で行われるジャパンカップなら、昨年通りの強さを発揮してくれるに違いない。不安要素は鞍上のみ。そこも百戦錬磨の武豊。人馬一体となって「7勝目」の偉業を達成してくれるだろう。

 

また、ペルシアンナイトを1着に持ってきたデムーロの勢いも信頼したい。サトノクラウンはムラっ気の強い馬という印象だったが、香港ヴァーズでGⅠ馬となり5歳に入ってからは安定して力を発揮している。どちらかというと力のいる馬場のほうが合う(前走の天皇賞(秋)のような)が、今の府中は先月の不良馬場の影響でタイムが落ちているとも言われる。これもサトノクラウンに追い風か。

 

よって◎キタサンブラック、〇サトノクラウン

相手には3歳からレイデオロ、4歳からマカヒキ、5歳からシュヴァルグラン、6歳からサウンズオブアース

レイデオロ古馬との戦いが未知数だが、アルゼンチン共和国杯を制したスワーヴリチャード、菊花賞馬のキセキをいなした実力は本物と見る。ソウルスターリングは臨戦態勢に不安あり。

マカヒキは前走、極悪馬場の中で終いに良い脚を使って掲示板を確保。ダービーを制した舞台で復活ののろしを上げたい。

シュヴァルグランサウンズオブアースは昨年の実績から抑えとして。

なんにしても、キタサン、デムーロの順当決着を予想して、買い目を少なく厚めに買いたいところだ。

 

ミルコ・デムーロキタサンブラック。その「凄み」を見せつけてくれるのは、果たしてどちらか。明日のファンファーレが待ち遠しい。