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2010甲子園優勝投手・島袋洋奨は育成再契約。甲子園優勝投手が苦しんでいる

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先日福岡ソフトバンクホークスから戦力外通告を受けた島袋洋奨が、再びソフトバンクと育成契約を結んだことが報じられた。

島袋と言えば、「琉球トルネード」と呼ばれた投球フォームで興南高の春夏連覇を牽引したエース。夏の甲子園東海大相模高との決勝では、最近話題になっている一二三慎太投手(元阪神の一二三慎太容疑者、強制性交容疑で逮捕 沖縄:朝日新聞デジタル)と投げ合い、勝利した。将来を嘱望された島袋は高校卒業後、プロではなく中央大へ進む。入学当初は期待通りエース候補として好投を続けていた。しかし左肘の怪我もあってフォームを崩してしまい、以降は本来の投球を見失ってしまう。

なんとかドラフト5位でプロ入りするも、高校時代に見せた圧巻のトルネードスローは鳴りを潜めた。さらに今年は左肘を手術。リハビリに専念するため、今回育成選手として再契約する運びとなっている。

このようにプロの世界で苦しんでいる甲子園優勝投手は島袋だけではない。逆に言えば、プロ入りした甲子園優勝投手はみな苦しんでいるようにすら感じる。

甲子園優勝投手といっても、色々いる。チームの総合力で優勝を勝ち取ったエースもいれば、その実力でチームを優勝へと導いた「大エース」もいるわけだ。21世紀で言えば、斎藤佑樹や島袋洋奨、藤浪晋太郎高橋光成小笠原慎之介などが挙げられる。

 

名前を挙げてみれば、斎藤佑樹や藤波晋太郎の苦しみは言わずと知れた話だろう。斎藤佑樹は肩の怪我もあってプロ入りからたったの通算15勝。来季30歳という年齢を考えれば、引退や戦力外すらちらつく成績だ。

藤浪晋太郎も新人から3年連続2桁勝利と順風満帆なプロ生活を送っているようだったが、今年、歯車が狂った。右打者へのボールが頭のほうへ抜けてしまう悪癖。もはやイップスとも呼べる症状を克服できず、二軍暮らしが続いた。それでも藤浪はCS1stステージで中継ぎ登板して好救援を見せ、来季へ向けて明るい期待を残して今季を終えている。

高橋や小笠原はまだ発展途上の選手でもあり、これからの飛躍が期待されている。特に今季の小笠原5勝を挙げ、中日のエースへまた一歩階段を上ったという印象。

 

甲子園優勝投手の受難には、甲子園という舞台で身を滅ぼしてチームの為に投げ続けた弊害があるともいわれる。タイブレーク制の導入や厳しい日程の緩和など選手の将来を守ろうとする動きが広がる中で、これからの「甲子園優勝投手」の活躍にも注目していきたい。

 

主な甲子園優勝投手の2017年

斎藤佑樹(29) 6試合1勝3敗 防御率6.75
島袋洋奨(25) 1軍登板無し
藤浪晋太郎(23) 11試合3勝5敗  防御率4.15
高橋光成(20) 7試合3勝4敗 防御率4.12
小笠原慎之介(20) 22試合5勝8敗  防御率4.84